







インプラントよもやま話(名古屋の歯医者のたわごと)

私は愛知県名古屋で開業しているインプラント治療と審美歯科治療をメインに頑張っている歯科医師です。生まれ育った愛知県名古屋市で平成元年に開業して30年が経ち、インプラント治療歴、審美歯科治療歴も30年となりました。
当院で30年前に行ったインプラント治療は経過を追うことができる患者様の95%は現役で機能していますので、インプラント治療はブリッジや入れ歯と比較して明らかに安定度が高い治療であると実感しています。当院は現在では7000人以上の患者様を治療し、インプラントの埋入本数は過去10000本を超へ、現在では年間1000本を超えるまでになりました。愛知県内、名古屋市内でドクター1人あたりのインプラント埋入本数はたぶん、かなり上位に入ると思います。というのは、私が使用しているノーベルバイオケアインプランント、ストローマンインプラント、ZIMMER-BIOMETインプラント、アストラインプラントの世界4大インプラントメーカーの担当セールスマンが全員そう言うからです。使用しているインプラントメーカーとしては世界最大大手メーカーであるストローマンインプラント、ノーベルバイオケア社、ZIMMER-BIOMET社、デンツプライ社のアンキロスインプラント、国内インプラントメーカーは大手のジーシーインプラント、インプラントシュミレーションソフトとしては世界最大大手の「シンプラント」のメーカー認定講師として、日本の歯科メーカーとしては国内CT販売シェアNo1のヨシダのCTのセミナー認定講師として、歯科医師に対するインプラント治療の講演教育活動をしています。

ここでは、インプラント治療について私が思うことを、いろいろ書いてみようと思います。
最初に私が院長の吉岡歯科医院の紹介ですが、愛知県名古屋市の吉岡歯科医院は平成元年に開業し、現在では歯科医師4名、歯科衛生士2名、歯科助手3名のスタッフで運営しています。現在では無菌化された総合病院レベルのインプラント専用手術室を保有し、ヨシダの高精度低被爆CTを導入しています。手術室は無菌化されているだけでなく、麻酔の余剰ガス排出回路が備わる全身麻酔が可能な手術室です。簡単なインプラント手術だけでなく、全身麻酔下における脛骨からの骨採取など大掛かりな骨移植にも対応可能な、大学病院レベルのインプラント治療が可能なインプラントセンターとして稼働中です。
現在は安全で確実なインプラント治療の普及啓蒙の為、インプラント治療希望者に対してCT撮影とシンプラントによる分析を無料で行っています。また、医院設備としては精度の高い治療を行う為、手術用顕微鏡を7台保有しています。一般歯科治療ユニットは8台ありますが、すべてのチェアがドイツKaVo社の治療ユニットです。高度なインプラント治療や最新の審美治療を行うために必要なハードとソフトはすべて完備した歯科医院です。医院へのアクセスは名古屋駅から4キロの立地でタクシー代は\1780円(2009年6月現在)です。あおなみ線荒子駅からは徒歩12分です。お車での来院には吉岡歯科専用駐車場が10台分あります。中部国際空港セントレアからは1時間です。

インプラント手術した当日から咬めるインプラント All-on-4
私の最も得意としている治療は、歯が一本も無い人や、ある歯がボロボロで保存出来ないような症例に対して、一回の手術で動かない固定式の見た目の良い歯を作ってしまうことです。
女性の場合です。

治療前の状態ですが、全ての歯はぐらぐらで保存出来ませんでした。
全ての歯をインプラント手術当日に抜歯し、その日のうちにインプラントを埋めて動かない見た目の良い義歯に置き換えます。

一日で上も下も麻酔がかかってボーットして恐怖感の無い状態でインプラント手術が行われました。


治療が終了した口元です。見た目は自然で何でも食べることができます。この治療ではインプラント埋入当日に固定式の仮歯を装着しますので、インプラントがインテグレーションしないリスクがあります。
男性の場合です。

治療前の状態ですが、全ての歯はぐらぐらで保存出来ませんでした。
全ての歯をインプラント手術当日に抜歯し、その日のうちにインプラントを埋めて動かない見た目の良い義歯に置き換えます。

下顎は一日で麻酔がかかってボーットして恐怖感の無い状態でインプラント手術が行われました。



治療が終了した口元です。見た目は自然で何でも食べることができます。この治療ではインプラント埋入当日に固定式の仮歯を装着しますので、インプラントがインテグレーションしないリスクがあります。
インプラント治療も審美歯科治療も品質が重要です。
インプラント治療も審美歯科治療も品質の時代に入りました。ではインプラント治療の品質とはなんでしょう?現在ではインプラント治療が一般的になってきていて低価格化の波が押し寄せています。一方マスコミではインプラント治療によるトラブルが報道されています。この中には医療機関側に問題がある場合もあれば、患者側の思い込みや勘違い、清掃状態が悪い、定期検診を受診しない、喫煙習慣が止められない、などの様々な状況があります。
先ず、御理解いただきたいことは、インプラント治療は骨を相手にした手術だということです。ですから歯の治療とは異なり整形外科の分野であるとも言えます。ドリルで骨に穴を開けインプラントをねじ込みますが、骨がしっかり治ってくれないとインプラントと骨は強力に結合しません。このチタンで出来たインプラントと骨がしっかりくっ付いた状態をオッセオインテグレーションと呼んでいますが、強固な安定したオッセオインテグレーションを達成する為にはいろいろな条件が必要です。
骨にドリルで穴を開けるという行為は人工的に骨折と同じ状態を作ることです。骨折した状態は必ずしも正常に治癒する訳ではありません。偽関節と言って骨が正常にくっつかずに再手術が必要になる場合も決して珍しくはありません。インプラント治療もインプラント自体の性能が素晴らしくても、生体の治癒する反応が悪ければ強固に安定したオッセオインテグレーションを達成することは不可能です。
一見、骨と結合している様に見えても、骨とインプラントの接触率は70%程度だと言われています。この接触率を上げる為に吉岡歯科医院ではインプラント本体には空気中の炭素と結合した不純物を取り除く処理をしています。
インプラントの品質とは使用している材料のインプラントの種類だけではありません。やはり熟練した術者の仕事はトラブルが少なく長期に安定します。私が知る限り、良い仕事をしているインプラントロジスト達は、十分に時間と手間をかけ、丁寧で奇麗な仕事をしています。手術をしている時間以外のバックグラウンドに膨大な時間と手間をかけているのです。吉岡歯科医院では複雑な症例は3Dプリンタで患者様の顎の複製モデルを作成し、本番の手術の前に何度も模型上で手術を練習するということも日常的に行っています。 これをすることにより手術精度は格段に上がります。
現在は低価格を売り物にしたインプラント治療が派手な宣伝をしていますが、私が所属している大学病院のインプラント科にはインプラント治療のトラブル患者の来院が多いのも現状です。
安くて良い品質の仕事が安定して供給されることはありえません。ディスカウントショップの存在が長期に存在しない様に安売りが看板というのは難しいと思います。私が尊敬する先輩や仲間の先生はきちんとした責任ある仕事をする為にコストを下げることはありません。
インプラントの技術は進歩し、インプラント手術をした当日から、動かない歯を手に入れることが可能となりました。一日で咬めるインプラントAll-on-4の詳細は下の方にあります。また、特設サイト 即日インプラント.com を御覧下さい。
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左上は 治療前の状態で右上がインプラント治療後の写真です。上顎はインプラントにより一日で動かない歯になりました。(全てのインプラント治療はインプラントが骨とイングレーションを得られないりすくと獲得されたインテグレーションを喪失するリスクがあります)

左上は 治療前の状態で右上がインプラント治療後の写真です。上顎も下顎もインプラントで一日で動かない歯になりました。(全てのインプラント治療はインプラントが骨とイングレーションを得られないりすくと獲得されたインテグレーションを喪失するリスクがあります)
歯が1本無くなってもインプラント、全ての歯がなくなってもインプラント
1本の歯が無くなった場合、従来は無くなった歯の両隣の歯を削ってブリッジで修復していました。しかし、一度削ってしまった歯が長期に安定することは難しく、せっかく作ったブリッジも10年程度で駄目になることも珍しくありません。壊れたブリッジの土台となっていた歯牙は虫歯や歯根破折で再治療が不可能で、抜歯になってしまうことも、しばしばあります。インプラント治療は健康な歯牙を削ること無く、機能や見た目を回復出来ます。歯が1本無くなっても、全ての歯がなくなってもインプラントでの治療が可能です。

左上は1本の歯が無くなってインプラント治療を希望して吉岡歯科医院を訪ねてきた患者様の初診時の状態です。右上はインプラント治療が終了して10年経過した状態の写真です。(全てのインプラント治療はインプラントが骨とイングレーションを得られないりすくと獲得されたインテグレーションを喪失するリスクがあります)

左上は 治療前の状態で右上がインプラント治療後の写真です。上顎はインプラントにより動かない歯になりました。
インプラント手術したその日の内に一日で咬める歯が出来る情報サイト 即日インプラント.com http://www.sokujitu-implant.com
医師、歯科医師向け名古屋発のインプラント情報サイト インプラント業務用情報発信基地 http://www1.odn.ne.jp/implant
審美歯科治療、セラミックによる修復のきれいになりたい専門サイト セラミックで白い歯 http://www.ceramic-implant.jp


上は当院の外観と吉岡歯科医院手術室でのインプラント手術風景です。手術室内は陽圧化された無菌手術室(クリーンルーム)で、清潔安全であるだけでなく、麻酔ガス排出装置が装備された全身麻酔に対応した手術室です。内部は最新鋭の設備が揃っており、ピエゾサージェリーが2機、インプランターが4機常時セッティングしてあります。52インチの液晶モニタが2機設置され、右のモニターには手術の映像が映し出され、左のモニターには2階のCTをリモートコントロールする画面になります。術中でも瞬時にCT撮影を行い分析することができます。インプラント手術をする上で不足のない環境を整えました。

SQF Safety and Quality First
吉岡歯科医院はSafety and Quality First、安全と品質を最優先したインプラント治療を行っています。その為に最高の診療機器とスタッフを揃え、日々研鑽に励んでおります。
インプラント治療は通常の歯科治療とは異なり、外科手術です。また、歯科治療の中にも、抜歯や歯周治療などの外科処置を伴います。近年患者様の高齢化が進み、通常の歯科治療でも全身状態をモニタリングしながら治療を行うことの重要性が叫ばれています。上の写真は吉岡歯科医院にある生体情報モニタを集めた写真です。これらの機器は脈拍、血圧、酸素飽和度、心電図が計測可能で、何台かはその情報を無線でテレメータに送信し、離れた場所でもモニタリングできるようになっています。吉岡歯科医院では全ての診療用チェアにこれらのモニタを配備し、患者様の安全に備えています。

院長の吉岡喜久雄はAll-on-4という一日で咬むことが出来るインプラントシステムを開発したパウロ・マロに師事し、現在でははAll-on-4システムを各社インプラントめーかー講師として日本の歯科医師達にAll-on-4システムを教えています。
書きはじめたきっかけ(2003年の夏記)
当院ではインプラント治療を行うようになって20年になり、多くの人に沢山のインプラント治療をしてきました。当院にインプラント治療を希望してみえる患者さんは、自分のできる範囲内で資料を収集し、知識を得ていますが、勘違いや思い違いをしている人も多く、インプラント治療に対する誤解を解く為や、私のインプラント治療に対するスタンスを患者さんへ伝える為も含め、患者さん向けの細かいインプラント資料を作らなければ、とずっと思っていました。ところが現実的に行動に移すことはたいへんで、そんな余力があるのならインプラントの予約患者さんの手術日程をもっと早く繰り上げないと、医院がパンクしてしまうという実情もあり、なかなか実現できませんでした。ところが、2003年の夏期休暇の初日(すなわち今日8月9日土曜日)私はバリ(インドネシアにある小さい島)が大好きで、今朝からバリヘ旅立つはずでした。ところが台風10号のせいで、飛行機の離陸が8時間遅れということで名古屋空港に缶詰めになり、時間を持て余したので、鞄からコンピュータを取り出して、インプラントよもやまばなしを書くことにしたわけです。当初このインプラントよもやま話を製本して待ち合い室に置いて、患者さんに無料で配るか、コピー代の実費で買ってもらおうかと思っていましたが、ホームページにすれば製作や校正も全部自分1人でできるし、印刷する手間やコストは大変で、印刷屋より経費も安いし、患者さんにお金をいただく必要もないし、医院の宣伝になるかもしれないと思ったのでWeb上に「インプラントよもやま話」を書くことにしました。
このガルーダインドネシア航空という会社は摩訶不思議な会社で、今日も他の会社の飛行機は3時間の遅れで飛んでいるのですが、bali時間というのがあって、時間の単位が3倍くらい違うのです。2年程前にやはり、夏期休暇にバリへ行く日にbaliから飛行機が名古屋空港に到着しておらず、24時間遅れで現地へ到着したこともあるのです。バリでは腹も立たないのですが、日本で飛行機の離陸を待つ身としては、8時間遅れを空港で待機というのは、なんとかしてほしいもんです。(2003年の夏記)
その後ガルーダインドネシア航空は名古屋-デンパサール便を一度廃止しました。

インプラント講習会で講演中の吉岡喜久雄です。本日はインプラント埋入コースで実習セミナーです。

インプラント界の貴公子サーシャジョバノビッチとの2ショットですが、私は内外の著名なインプラントロジストから情報を得て、最新最高の手術ができるよう、いつも研修とトレーニングを欠かしません。先週(2009年6月)はニューヨーク大学の卒後研修プログラムでデニスターナー本人から直接、現在のインプラント治療の講義を受けてきました。
インプラントとは?
インプラントは体に埋め込む物の総称として用いられます。医療では股関節インプラントに代表される間接部のインプラントが一般的ですが、このページのインプラントというのは歯科インプラントのことで、歯を失った人が自分の歯の変わりに顎の骨の中に埋め込む、人工の歯(人工歯根)の話のことです。
インプラントの詳細はこちら


左の写真が骨内に埋め込まれるインプラント本体部分で直径4ミリ長さが12ミリ程度がスタンダードな大きさで、ネジのような形状が一般的です。右の写真は骨内に埋め込まれたインプラントに歯を作る為の土台にアバットメントと呼ばれる歯を接合する土台の写真で、インプラントが骨としっかりくっついた後にネジ止めされます。
どこのメーカーのインプラントがよいですか?
結論から先に言うと使用するインプラントの必須条件として、世界中でどこの国でもパーツが入手可能な大手企業の人気のある定番インプラントが良いです。なぜならば、あなたが今後海外で生活する可能性があるからです。事実この前フランス人の先生がインプラント治療途中の患者様を「後は頼む」と紹介されましたが、ノーベルバイオケア社のスピィーデーグルービーインプラントだったので、当院にはこのインプラントに適応するアバットメントの在庫が常時あり、即日対応できました。吉岡歯科医院では現在世界No1からNo5までのインプラントを常時在庫保有し、これらインプラントに対応可能なインプラント外科補綴キットとインプラントアバットメントの在庫を持っています。日本の大学病院やインプラント治療の最高峰と言われるニューヨーク大学やチームアトランタでも主たる大メーカーのインプラントを複数ブランド揃えて使用しています。
2013年現在インプラントメーカーは世界中で50社以上有り、その多数のインプラントメーカーが複数のインプラントシステムを販売しています。一つのメーカーでも複数のインプラントシステムを販売しているという事実は、一つのシステムで全てのケースに対応することは不可能であることを意味しています。現実に業界大手のノーベルバイオケア社が現在世界に向けて広告宣伝しているインプラントシステムは歴史があることで有名なブローネマルクインプラントではありません。ブローネマルクインプラントとは全く異なる形をしたノーベルアクティブというインプラントが主力商品です。ちなみにこのインプラントシステムは歴史のあるノーベルバイオケアが開発したインプラントではなく、イスラエル製のインプラントのパテントを購入して製品化したインプラントです。私たち開業医は少ないインプラントシステムで全てのケースに対応出来ればインプラント本体もアバットメント(土台)も手術器具を最小限揃えれば良い訳で、経済的にもスペース的にも、在庫管理の手間、もろもろ大変楽な訳です。しかし私の医院(吉岡歯科医院)でも、現実的には、ノーベルバイオケア社で3システム(ブローネマルクインプラント、リプレイスインプラント、ノーベルアクティブインプラント)を保有しており、その他にストローマン社( 元ITIインプラント)ZIMMER-BIOMET社(BIOMET3iインプラント)デンツプライシロナ社(アンキロスインプラント、アストラインプラント)NEOSS社(プロアクティブプラント)を採用して、多くの症例に対して使い分けています。
それぞれのインプラントシステムに一長一短があり、ケースによってベストなインプラントシステムが異なるからです。
自動車レースにおいて、コースや路面、天候、気温、走行時間、車、走行パターンによって各種のタイヤを使い分けるように、選択肢がないと、不利な条件で勝負をすることになり、その結果を患者様に強いることになってしまいます。
ですから、ニューヨーク大学やチームアトランタの様に、患者様の顎堤や骨の条件、即時負荷や骨移植などの多様なケースに対して大手メーカーの複数のインプラントシステムを常時行っている医院が良いと思います。

インプラント治療を行うには、インプラント手術の内容に応じた環境が必要になります。吉岡歯科医院は無菌化された手術室がありますが、入院設備はありません。当院に宿泊することは可能ですが、24時間ドクターを宿直させるのは無理なので、その場合は提携病院のベッドを借り、そこの病院でインプラント手術を行い入院してもらいます。上の写真は脛骨移植が必要なケースで中部労災病院の手術室で私、吉岡喜久雄が手術しているところです。真ん中の拡大鏡をはめて執刀しているのが私で、左の横顔の男性は吉岡歯科医院の代診の今村先生です。私は中部労災病院の嘱託医で、今村先生は病院診療所連携医なので、こうような方法を取ることができます。
私がインプラント治療を受けるのなら。
現在はインプラント治療が一般的になり、インプラント治療をしたことがある歯科医師はずいぶん増えてきました。しかし、もし100人インプラント手術をしたことのある先生がいるのなら、必ず上位2%の先生にお願います。どの業界でも上位5%は優秀で上位2%はミスを全くしないからです。しかし、現代はブラックジャックのようにたった1人の医師がたった一人の助手の2人だけで手術をするような時代ではありません。複雑な多種多様なケースに的確に対応する為には設備と人材が揃った環境が必要です。私自身30年前はスタンドプレーでブラックジャックを気取ってインプラント手術をしていましたが、現在には通用しません。時代遅れです。
現代水準のインプラント治療を行うにはCTやシンプラントなどのインプラントシュミレーションソフト、無菌化された手術室などの設備や優秀なスタッフ、滅菌システム、インプラント治療の経験年数、インプラント症例数、インプラント埋入本数、経営状態、アフターフォローをする後継者の存在など多くのポイントがクリアしていることが重要です。同じ建物を造るのにも一人の大工で作れる家とゼネコンでなければできない仕事があります。その時はたった1本の簡単なインプラント手術かもしれませんが、年数が経つと他の歯が次々と駄目になり、大掛かりなインプラント治療が必要になることがしばしばあります。インプラント治療を受けるのなら、はじめから、ゼネコンクラスの経験設備の医院でインプラント治療した方がアフターフォローを考えると無駄がなく、結局はお得だと考えています。営繕仕事がメインの歯科医師に鉄筋コンクリートの近代建築を任せるのは無謀です。
私は典型的な名古屋人です。名古屋人はリスクと後ろ指を指されることを嫌います。絶対に失敗をしない、万全を期す、無理無茶はしない、確実安全を選択します。私は特に慎重で臆病者で小心者です。リスクや冒険を嫌います。株もパチンコもしません。面白くない人間なんです。私は仏が20人以上いる旧家の長男で、祖父から「多くの人の為になる、徳のある行動をせよ。それが家と子孫の繁栄につながる」という古めかしい教育を幼少のころから受けてきました。要するに「私と私の家族の幸せは、私がより多くの人に対して、より多くのメリットを供給することによって成り立つ」という儒教的な教育です。保育園時代の幼少期の私は無条件で信じることを要求されましたが、なんか「自分の幸福が欲しいのなら、他人の幸福を全力で考えよ」という発想は、毎日の生活を禁欲的に生きることを要求されているようで、楽しむことは罪なようで、毎日を愉快な気持ちでおくることができず、違和感がありました。しかし毎夕に仏壇の前で先祖を敬い、自分の行動や考えを戒めるという毎日の洗脳儀式を受けてきました。愉快な楽しい幼少期を送ることはできませんでしたが、結果としては、現在、私は大変幸福な毎日を実感できる日々をおくっており、神と仏と先祖と祖父に毎日感謝しています。また全く根拠はありませんが、この家訓はどうもまやかしではなく素晴らしい教えのようだと信じるようになってきました。幼い頃の私は母親の笑顔がなにより大好きでした。母は私が良い行いをしたり、良い成績をとるととても喜んでくれました。母親に褒められる為に小学校時代は一生懸命勉強して、良い行い?をして、児童会長をやりました。その後、地元中学から明和高校に入学しました。もともと小学校低学年から油絵を描き続け、賞という賞を総なめした実績を持ち、ますます芸術に目覚めた私は、将来は美術の教師をやりながら、世間にけっして認められることの無い、偉大な芸術家になることを夢みました。しかし高校の美術の教師という職は採用枠がほとんどない就職困難な職種と知らされ、美術教師をやりながら芸術家になる夢をあきらめました。他に大きな希望はありませんでしたが、手先が非常に器用だったので母親から勧められ、自分自身も向いているかと思い、歯科医師という職業を選択しました。
歯科医師になって自分の医院を持つに際して、自分が気に入る医院を作ることにしました。さて、自分がかかる歯科医院の選択ですが、私には名古屋人的な発想があります。名古屋人が家を建てるときは業者選定に際し、自社ビルを会社保有の土地に建てているか?にこだわります。また、会社の経営状態を調べます。きちんとした後継者がいるかどうかを調べます。その他、過去の仕事、実績など全てを評価してから依頼するかどうか決定します。
現在、歯科という業種は大変不況な業種です。当院にはインプラントを手術した医院がなくなってしまい、なんとかして欲しいという難民のようなインプラント患者様が沢山来院します。駅前や中心地のテナント料はたいへん高価な上、広告費をかけないと集客できないので、経営的に不安定な歯科医院が多いのが実情です。インプラント治療は洋服やバックを購入するのとは違い、20年後、30年後も管理や修理が必要となる治療です。仕事場から通いやすいなどの安易な理由でインプラント治療を受ける医院を決めるのは妥当な選択とは言えません。20年後、30年後もその歯科医院が存在し続ける基盤が揃っている医院で治療を受けるべきです。私たち歯科医師がインプラント治療のベテランになる為には、20年程度の期間が必要です。つまり、歯科大学を現役で24歳で卒業して、すぐインプラント治療を始めたとして、45歳くらいでようやく「経験豊富なインプラントドクター」となれる訳です。しかし、45歳のドクターがインプラント手術をして30年経つと75歳になっている訳です。50歳を過ぎると、目が悪くなり、長時間の難しい手術はしんどくなります。私は息子(次男)を愛知学院大学歯学部を2番の成績で卒業し、現在は吉岡歯科医院で副院長として勤務しています。親バカですが非常に優秀な歯科医師です。彼は東海高校から推薦で無試験で歯学部に入学しました。息子は特待生となり、卒業式では成績優秀者として壇上で表彰されましたので、歯科医師としては十分な学力と勤勉さがあると思います。本人はインプラント治療に興味を持ち、私の後継者であることを自覚して行動しています。ちなみに、吉岡歯科医院のHPは息子の作品です。あなたのインプラントを責任もって管理できる後継者がいる医療機関を選択することが重要です。(ちなみに長男は岐阜大学の医学部を卒業し医師となりました。彼は私の弟が名古屋大学出身の医師で、彼の影響を受けて医者の道に進みました。)
私は以前、「川村貞行」という歯科医師に出会い、生き方を決めました。彼の生き方考え方、そして歯科医師としての能力に憧れ惚れました。今でも敬愛しています。彼は私に「患者の為に最善を尽くす歯科医療」を説きました。「プロとしてスキルを磨き、人として高潔であれ」「患者を愛し畏敬の念で接しよ」「常に正直で誠実であれ」「努力と忍耐を尊べ」「家族を愛せよ」などなど、川村語録はありますが、傑出した歯科医師としての能力、裏表のない正直で誠実な人柄、奥様と御子息、家族を敬愛していること。全てが私の生きる指針となりました。

上は吉岡歯科医院の手術室です。大学病院や総合病院の手術室を専門に手がける美和医療器機に大学病院と同じ仕様で作らせました。
通常のインプラント治療を行うだけならこれだけの設備は過剰投資という考え方もあるかもしれませんが、サイナスリフトや頸骨採取を行うのであれば今後は必要とされる設備です。
インプラント手術したその日に歯ができるAll-on-4を進化させたDIEM2
現在吉岡歯科医院ではインプラント手術したその日に固定式の義歯ができるAll-on-4(オールオンフォー)インプラントを多数おこなってきました。現在はAll-on-4をさらに進化させたZIMMER-BIOMET社が開発したDIEM2というより新しく確実なシステムで即日インプラントを可能としています。従来のインプラント治療は手術をしてから固定性の義歯ができるまで下顎で3ヶ月程度、上顎で6ヶ月程度待つ必要がありました。骨の量が少ない場合には、サイナスリフト、GBR、骨移植が必要となり、さらに半年以上の時間を待つことになりました。固定式の義歯が装着できるまで3年近くかかることも稀ではありませんでした。All-on-4(オールオンフォー)という治療法はパウロ・マロが考案した治療法で、インプラントを傾斜埋入することと、上顎に骨が極めて乏しい場合にはザイゴマインプラントという特殊なインプラントの使用により、手術をした日に固定式の義歯が完成する治療法です。義歯は通常手術をした半年後に新しい義歯と交換されます。
ザイゴマインプラントは長さが30ミリから50ミリ程度の長いインプラントです。インプラントの先端部が頬骨に埋まっています。




当初はブローネマルクが開発したシステムで、上顎洞の内部を貫通させる術式でしたが、現在では上顎洞の外側を通すやり方が一般的になりつつあります。
世界のインプラント事情
AAP(米国歯周病学会)に出展していた世界的なインプラントメーカー
AAP(米国歯周病学会)というのはアメリカで一番歴史のある歯科学会で、私は会員になって10年が経過しました。秋にある年次大会には毎年出席しています。アメリカにはAOというインプラントの学会もあり、私も会員ですが、規模的にも内容的にもAAPが世界一のインプラント学会です。
アメリカではインプラント手術は主に歯周病専門医が行っています。インプラント治療は歯周病治療の延長に位置づけられているからです。インプラント治療が主体の吉岡歯科医院でも、大学の歯周病科に5年在籍したベテラン歯周病医の今村先生と神原先生がいるのも、そういう理由からです。
AAPの企業展示に出展されているインプラントはFDA(米食品医薬品局)が認可しており、安全であり、世界に通用するインプラントであると考えられてます。
世界のインプラント事情はこちら
2012AAP(米国歯周病学会)年次大会が9月29日からロサンゼルスで行われました。
世界で最大の歯科医師の集まりは米国歯周病学会の集まりです。年に一回年次大会が開催され、今年はロサンゼルスで行われました。インプラントの最新情報が集まる大会でもあり、世界中のインプラントロジストが集結します。

上の写真は会場のロサンゼルスコンベンションセンターです。

私が非常勤講師を務める朝日大学歯周病科渋谷教授との一枚

ゼネラルセッションの会場ですが、世界中から歯科医師が集まってきます。

私がインストラクターを務めるBiomet3i社副社長ラース氏と。彼は私のオフィスに何度も遊びに来ていて会場で私を見つけてくれました。

今回、米国歯周病学会で最大のスポンサーとなったノーベルバイオケア社の展示ブースです。私は同社のAll-on-4インプラントのセミナー講師をしていました。最近はインプラント周囲炎に対して同社のインプラントの表面性状が不利だということで、世界的なシェアをストローマン社に奪われてしまいました。現在業界2位のインプラントメーカーです。

ノーベルバイオケア社の今年の新製品はipadでコントロールするインプラントモーターです。モーターはビアン エアー社製です。

私がインストラクターを務めるBiomet3i社のブースです。この会社はイタリアやフランスでは販売一位の実力のあるメーカーで骨移植などの論文は同社のインプラントを使用しての文献が一番多いプロ好みのインプラントメーカーです。

私がインストラクターを務めるストローマン社のブースです。このメーカーは現在世界で一番のマーケットシェアを持つインプラントメーカーです。

ストローマン社のブースでは口腔内を光学スキャナを使用しての補綴設計ソフトのデモをしていました。

私がインストラクターを務めるデンツプライ社のブースです。

私は同社のアンキロスインプラントを使用していますが、今年、アストラインプラントを買収し傘下に収め、世界第3位のインプラントメーカーです。

サンスターは日本の企業で国内では歯磨きグッズが有名ですが、現在はインプラント治療に欠かせない吸収性メンブレンなどでも世界的に有名になってきました。

zimmer社は整形外科領域では有名なブランドですが数年前にセンタープラス社を買収して同社の歯科部門としました。
同社はこの度、非常に変わった形状のインプラントを発表していましたが、私の直感では人気が出るとは思えません。

biconインプラント社はボストンに本社を持つ老舗インプラントメーカーです。元々は整形外科領域で有名なストライカー社が開発したインプラントです。

コルゲートと言うと歯磨き粉をイメージしますが、米国歯周病学会のゴールドスポンサーでもあります。

この会社が製造しているBio-ossという骨補填材は世界で最も使用されているインプラント材料です。

牛の骨を原材料としていますが、現在では日本での薬事承認を通過しました。

韓国のインプラントメーカーで日本ではオステムインプラントとして有名です。低価格を武器に世界中に躍進中です。

このメーカーはサイブロンデンタルと言い、多くのインプラントメーカーを買収したあげく、安価な通販インプラントメーカーを運営するようになりました。

日本ではモリタという大手歯科メーカーがSPIインプラントを輸入しています。
2010年1月3日
このトップページにブログを書いていたら、あまりにページが重くなりましたので過去の内容は移動しました。

2011年11月13日
明日からアメリカ歯周病学会の開催で、今日は登録を澄ませてきました。どんな新しいインプラントが出て来るか楽しみです。

2011年11月14日
ゼネラルシェッションでインプラント周囲炎の講義を聴いた、後、エキシビジョン会場で親友の伊藤夫婦と佐藤先生と会いました。

2011年11月15日
インプラントハはアメリカにおいても低価格の流れがあります。基礎研究に膨大な費用を投じた高価な一流品インプラントと研究や臨床研究を省いた低価格インプラントとの二極分化が進んでいます。

2011年11月16日
今日はパームビーチで開業しているラムジー先生のオフィスに遊びに行ってきました。彼のオフィスを見学した後、同じ医療モールで開業しているスコット先生のオフィスに遊びに行ってきました。

2011年11月17日
今回のアメリカ歯周病学の年次大会では開催地がマイアミだったので足を伸ばして、アメリカ最南端のキーウエストまで行ってきました。下はセブンマイルブリッジで映画トゥルーライズでも有名な橋です。橋の左が大西洋で右がメキシコ湾となります。

2011年11月18日
名古屋に帰ってきました。アメリカは時差があるのでなかなか眠れません。時差ぼけがなおるのには一週間程かかりそうです。
2011年11月19日
今回のインプラント学会で新しく展示していたインプラントメーカーです。新しいインプラントには時代のトレンドが現れていることが興味深いです。このメーカのインプラントは内部コネクションで薄い幅のネジが特徴的な形態をしています。

2011年11月20日
下のインプラントも今回初登場のインプラントだと思います。

2011年11月21日
このメーカーも最近出て来たインプラントメーカーです。

2012年1月16日
Biomet3i社のヨーロピアンインプラントシンポジウム最終日にBiomet3i社のCEOのマギーとベッカー先生達と夕食をともにしました。
