歯科インプラントにまつわる様々な情報と辛口コメントを名古屋のインプラント認定医が解説します。
インプラントに必要な腸骨移植や頚骨移植は無菌的な手術室で行われます。インプラント手術はCTを撮影して安全に行われます。インプラント画像。多種多様なインプラントが氾濫している中、より安全なインプラントを選びます。全身麻酔環境でインプラント手術を行います。インプラントが埋入されたイメージ。CT画像。多角的で正確な情報を得ることで、より安全なインプラント治療を目指します。専用トレー。高品質の器具を用いています。

インプラントよもやま話

インプラントとは?

辞書でインプラントを調べると以下のような記載があります。

インプラント 【implant】
欠損あるいは外傷を受けた部位に埋め込むために,人工的に作製した器官・組織の代替物。または,それを埋め込むこと。人工関節・義歯・腱・血管など。 三省堂提供「デイリー 新語辞典」より

ここでは、歯科領域で行われている、デンタルインプラントの説明をさせていただきます。歯科で行われているインプラントとは、歯を虫歯や歯周病、外傷などで失った場合に、義歯が簡単には外れてこないように、骨に直接維持を求めた人工の歯(人工歯根)のことを言います。従来は歯を失った場合にはブリッジといって、なくなった歯の両隣の歯を削ってない部分の歯をつくったり、取り外しの義歯(入れ歯)を作っていましたが。ところが、ブリッジについては失った歯を作る為に両隣の歯を削ることにより、削った歯の寿命が短くなったりすることがあります。また、取り外しの入れ歯は、堅い物を咬むと痛みがあったり、咬む度に入れ歯が動いたりして、必ずしも快適な使用感が得られる訳ではありません。

現代多く行われているインプラントは純チタンか、チタン合金で出来ています。形はネジのような形や、シリンダー状、歯の根のように先に行く程細くなった形などです。インプラントの表面は昔は機械研摩してあるタイプが主流でしたが、現在では、粗造な表面構造で骨との結合(オッセオインテグレーション)が得られ易いタイプが多くなってきました。また、インプラント表面にハイドロキシアパタイトをコーティングしたタイプの物もあります。

主流は純チタンかチタン合金でできているタイプの物です。
表面を機械研摩したチタンのインプラント 表面を粗造に加工したインプラント表面にボール状のでこぼこがついたインプラント

上の写真の左のタイプの物が表面を機械研摩したチタンのインプラントで、今日のインプラントの基礎を作ったタイプのものです。ブローネマルク社や3i社、ジーシー社などの製品が一般的です。これらの3社は基本的なパーツに互換性があります。

上の写真の中央のタイプの物は表面を粗造に加工したタイプの物で、より骨と確実な結合が得られるとのことで、ブローネマルク社でも、現在は機械研摩のタイプより人気が出てきているようです。

上の写真の右のタイプの物は表面にボール状のでこぼこがついた物で「5ミリの骨があれば手術可能という」うたい文句のイノバ社のエンドポアインプラントです。現在筆者はこのインプラントとGC社セフィオを主に使用しています。

ちなみに一番左の物は直径3.8ミリ 長さ14ミリで、上顎で骨質が良くない場合に通常選択されるサイズです。一番右のタイプは直径4.1ミリ 長さ7ミリとかなり短いのですが、メーカー(イノバ社)では問題ないとの見解を示しています。

歯牙が歯槽骨に堤植しているインプラントが歯槽骨に堤植している

上下のイラストはインプラントの模式図で3i社の物です。インプラント治療を受けた右上の図の歯は、左上の天然の歯と同じように骨の中にインプラント本体(フィクスチャー)が埋め込まれネジとめされています。この人工の歯で、自分の歯と同じように固い物を食べることができます。最近は歯を失った部分1本に対して、無くなった歯の数を埋めることが、一般的です。


単独の歯が無い場合の治療イメージ図

歯を失った状態

歯を失った状態

骨にドリルで穴を開けインプラントを埋め込んだ状態

骨にドリルで穴を開けインプラントを埋め込んだ状態。このインプラント本体(フィクスチャー)を埋め込む手術を1次手術と呼びます。

インプラント(フィクスチャー)が骨と強固に結合するまで待ちます。

仮の歯を作り、3〜6ヶ月インプラント(フィクスチャー)が骨と強固に結合するまで待ちます。

ヒーリングアバットメントを装着

3〜6ヶ月後インプラントが骨と強固に結合したら、インプラントの頭の部分を掘り出しネジ(ヒーリングアバットメント)を装着して歯茎が治るのを待ちます。

このインプラント本体(フィクスチャー)を掘り出す手術を(フィクスチャー)2次手術と呼びます。

アバットメントをネジとめします

歯を取り付ける為の土台(アバットメント)をネジとめします。

インプラント歯を装着

最終的な歯を装着します。


複数の歯が連続して無い場合の治療イメージ図

歯を失った状態

歯が無くなりました

インプラントを埋め込んだ状態

骨にドリルで穴を開けインプラントを埋め込んだ状態このインプラント本体(フィクスチャー)を埋め込む手術を1次手術と呼びます。

3〜6ヶ月後インプラントが骨と強固に結合した

3〜6ヶ月後インプラントが骨と強固に結合したら、インプラントの頭の部分を掘り出しネジ(ヒーリングアバットメント)を装着して歯茎が治るのを待ちます。このインプラント本体(フィクスチャー)を掘り出す手術を(フィクスチャー)2次手術と呼びます。歯を取り付ける為の土台(アバットメント)をネジとめします。

インプラント歯を装着

最終的な歯を装着します。


歯が一本も無く総入れ歯の場合の治療イメージ図

インプラントはそもそもは、歯が全くない下顎で、入れ歯が痛かったり動いたりして、食事が不自由な人の為に開発されました。下顎前歯の中央部に4本〜6本のインプラントを埋め、入れ歯を固定する目的で使用されました。このタイプの治療をオーバーデンチャーと呼びます。

歯が一本も無いのインプラント金属棒でつなぐインプラントの装着

上は4本のインプラントを金属の棒でつなぎ、棒とクリップで入れ歯を固定するタイプの補綴方法です。通常入れ歯は取り外し式になります。また、義歯は粘膜と接触して、咬む力を粘膜でもある程度支えることになります。このタイプの治療方法をオーバーデンチャーと呼びます。

歯が一本も無い場合のインプラントその2金属棒ではつながないインプラントを装着した

上は6本のインプラントと入れ歯を直接ネジでを固定するタイプの補綴方法です。インプラントは奥歯の部分まで埋めてあり、通常入れ歯は自分で取り外すことはできません。義歯は粘膜とは接触しておらず、粘膜と義歯の間には隙間があります。咬む力はインプラントのみで支えることになり、上記のオーバーデンチャーと比べると多くのインプラントが必要になります。このタイプの治療方法をボーンアンカードブリッジと呼びます。

インプラント界の貴公子ジョバノビッチと

ジョバノビッチが日本に来た時の写真です。

 

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